2016年04月03日

11周年を迎えて

今日でアルトスはリニューアルオープンから11周年を迎えることができました。
たくさんの方に支えられてこの日を迎えられた事に心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

昨年10年という節目の年をたくさんの方にお祝いして頂いてから一年、今日という日をこんな気持ちで迎えるとはあの時は想像もしていませんでした。この一年を私達はとても重くずっしりと受け止めています。

先日もネットのニュースで流れていましたので、ご存知の方もあるかもしれませんが、父の代から長年お世話になっていた取次会社が倒産しました。取次というのは出版社と書店の間をつなぐ流通業者で、取次が倒産するということはその取次と契約をしている書店には本が入荷しないことを意味します。その一報が届いたのは2月5日、娘の誕生日の前日でした。たまたまお店がお休みだったので、一日早いけどお祝いをしようとケーキを買いに走ったり、ちょっとしたお祝いムードに包まれていました。
そんな中私は、まだ半信半疑ながらも今後どうなるのか、どんな対応に追われるのか不安に押しつぶされそうになっていました。ただ、最悪の事態に備えてこれまで色々な方から情報を頂いたり、助言を頂いたりしていましたので、粛々と現実を受け止めることができたと思います。そのニュースはあっという間に業界に広がり、知り合いの版元さんや同業の方からはご心配のメールを頂きました。私達はなんとしてもお店を継続させていく方向で必死でした。実際閉店や休業に追い込まれる書店が出始めてネットでは心配の声が多々上がっていました。他の取次会社と新たに契約を結ぶにはそれ相応の体力がないと実現できません。紙切れ一枚で済む話ではないのです。色々考えました。夜遅くまで2人で毎日毎日話し合いました。私が外で働いて今の形をさらに縮小して直販の本だけを扱ってやれる範囲でやろうかとも思いました。でもこの地方都市で本屋が取次に頼らずやっていくことはほぼ不可能なことなのです。今の形のままで継続していくことを前提に話し合いは続きました。その結果、以前から相談をさせて頂いた同業の方から色々なご提案を頂いて、色々な方に助けて頂いてなんとか新しい取次と契約をさせて頂くことができました。本当に様々な方が手助けして下さったお蔭で、荷物が届かなくなるという最悪の事態も免れることができました。

今回のことで本屋を続けるということはこんなにも大変な事なのかと実感しました。この3月末、また一つ松江の老舗書店が閉店されました。「いい本屋がある町はいい文化が根付いている町だ」と言われる事がありますが、これからも本屋の灯りを保っていけるよう、微力ながらみなさんのお役に立てる本屋でありたいと思います。正直、本屋業界のマイナスのイメージになるかもしれないと思い、お話するべきか悩みました。でも自分達が経験してきた1つの記録として、また支えて下さった方への感謝の気持ちを込めて、書き記しておこうと思いました。小さな本屋ですが、これからもみなさんの日々の暮らしが豊かになるお手伝いができたらという思いは変わりません。明日からは12年目。店内企画のお楽しみなどまだまだ続きます。5月、6月にはワークショップも、出張販売もいまのところ2つ予定しています。引続きお付合い頂けましたら幸いです。これからもどうぞ、どうぞよろしくお願いします。

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西村 史之
西村 祥子


posted by artos at 13:49| 島根 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする